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とうふコラム

夜中でも豆腐のためなら飛んでいく、365日豆腐の事を想っているスタッフによる豆腐コラムです。
京都という土地と豆腐の深い関係。読んで納得、豆腐の知識を広げてみてください。

コラム

おいなりさんの思い出

子どもの頃、母の作るおいなりさんはご馳走だった。50年近く昔の記憶を掘り起こしてみると、ごく普通の稲荷寿司だったと思う。味付けした人参と牛蒡の混ざった酢飯を甘く炊いたお揚げさんで包んだもので関西のことで三角形をしていた。何がそんなに好きだったのか今となっては定かでは無いけれど、ひたすらおいなりさんだけを10も20も詰めこんでお腹いっぱいにしていた。他におかずも要らないし、まぁ、割と安上がりなご馳走だったろうと思う。
生家は京都の伏見稲荷大社の近くで、だからと言う訳でもなかろうが小さい頃からお揚げさんが好物だった。おいなりさんやきつねうどんに衣笠丼。特においなりさんは好きで何処へ食べに入っても有れば注文するくらい。コンビニでも買うし回転寿司へ行っても必ず取る。自然おいなりさんには一家言持つようになった。
甘くないお揚げさんはダメ。ベタベタ甘過ぎるのはもっとダメ。酢飯はシンプルなのが良い。ゴマだけとか、人参と牛蒡が混ぜ込んであるやつとか。でも、あまり他人には言わない。稲荷寿司は家庭毎にその家の味や特徴がある物なので下手をすると喧嘩になりかねないから。
服部で一時おいなりさんを売っていた事があった。レシピから何から準備してお揚げさんを炊いて酢飯も用意してほとんど一人でやっていた。自分なりに、これ!というおいなりさんが作りたくて夢中になってたら結構評判良くって結構売れた。しかし、しばらくして止めることになった。何故ならこだわり過ぎて原価が高くなり、利益がほとんど無かったからというダメな理由。商売は難しいという苦い思い出。でもまた美味しいおいなりさんを作って食べたいと初午に思う。

京都 黒谷

森の静謐

東山連峰と鴨川の間に二つの丘陵があります。

東に鹿ヶ谷をはさんで五山の送り火の左大文字で知られる東山如意ヶ嶽、西に御所の緑をのぞむその二つの丘は、北の丘陵が吉田山、連なる南の丘陵には京都では「黒谷さん」の愛称で呼ばれる金戒光明寺や、別名「真如堂」真正極楽寺があり、市街地からそう遠くないにもかかわらず、驚くほど緑豊かな一角です。

その黒谷に、創業以来「服部」は店を構えてきました。

ひっそりと息づく自然に守られた土地で、豆腐作りを行っています。